カテゴリー「外交」の記事

2009年10月29日 (木)

国連でキューバ経済封鎖解除決議、圧倒的大差で可決

 昨日10月28日、第64回国連総会で、決議案A/64 L 4、「米国の対キューバ経済・通商・金融禁輸措置を解除する必要性」が、賛成187カ国、反対3国(米国、イスラエル、パラオ)、棄権2カ国(マーシャル諸島、ミクロネシア)という圧倒的大差で採択されました。昨年欠席のエルサルバドル、イラクが賛成に回り、賛成国は昨年と比較して2カ国増え、国連加盟国192カ国の97.4%が賛成しました。
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 これで、米国の不当ないわゆる「対キューバ経済封鎖」政策は、18年連続して国際社会の圧倒的な意見で解除が要求されたことになります。この決議の採択において、国際社会は、「ほぼ満場一致」で米国の対キューバ経済封鎖が、国連憲章、国際法、民族自決権、内部問題不干渉、国内政策の域外適用、自由貿易に反するものとして、それを厳しく批判しました。

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キューバ政府は、1962年からの47年にのぼる経済封鎖により累積損害は960億ドル(時価評価で2,362億ドルに達し、経済発展の大きな障害になっていると報告しています。

今回の決議の採択は、次のような重大な意味をもっています。
① エルサルバドル(米国がニカラグアとともに膨大な軍事・経済援助を供与して、中米での米国の橋頭保としてきた国)が、ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)政府の成立により、賛成に回り、ラテンアメリカ・カリブ海では33カ国すべての国が経済封鎖の解除を要求していることとなった。
② ブッシュ政権が強力に軍事介入して樹立した親米イラク政府が、米国の干渉政策を批判する側に回った。イラク戦争は何だったのかを考えさせるものである。
③ 1月に発足したオバマ政権が、初めて国際舞台でほぼ孤立するほどの広範な批判を浴びた。多国間協調外交を唱え、中南米諸国との対等のパートナー・シップを掲げるオバマ政権の外交政策の矛盾が明確に露呈した。
 
 オバマ政権は、本年4月にキューバ系米国市民の家族訪問、家族送金、通信サービスの提供など、封鎖条件を一部緩和したので、今度は、経済封鎖の解除に向かう条件として、キューバ政府が政治囚を釈放するなど人権問題を改善し、ボールを投げ返す番だと主張しています。しかし、一方的に経済封鎖をしておいて、それを緩和したから、今度はキューバ側が国内政策を変更すべきだという主張は内政干渉であり、キューバ側は到底受けられるものではありません。両国の関係改善は、無条件、対等、平等、互恵、内部問題不干渉という国際社会で広く認められている原則に基づいた交渉においてこそ可能です。オバマ政権は、そうした原則を認めてこそ、対等のパートナー・シップが可能となるものです。

決議賛成、反対、棄権国の詳細は、別添参照。
「09.10.28 国連総会における米国経済封鎖解除決議投票結果1992-09.pdf」をダウンロード

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2009年6月 5日 (金)

キューバと米州機構(OAS) (2) 加筆版

6月3日、第39回米州機構(OAS)総会で、1962年1月31日にOAS外相会議で採択された、キューバ排除決議が、35カ国中、34カ国の賛成で(キューバは出席せず)無効であることが満場一致で決議された。
 
決議は、米州の安全保障、民主主義、民族自決権、不干渉、人権、発展の原則にもとづいたOAS憲章およびその他のOAS関連機関の目的と原則を尊重し、第5回米州首脳会議(2009年4月)の対話と協力精神にもとづいて、次の2項を決定した。

1. 1962年1月31日にOAS外相会議で採択された、キューバ排除決議をOAS内では無効とする。
2. キューバのOAS参加は、キューバ政府の申請により、またOASの慣習、目的、原則にしたがって対話を通じて行われる。

この決議は、米国の反共政策にもとづくキューバ敵視政策の誤りを米国自身も認めた歴史的な成果である。セラヤ・ホンジュラス大統領は、「今日ここで冷戦は終了した」と歴史的意義を強調した。またカルロス・ソーサ、ホンジュラス外相は、「この決議の合意にいたるには、だれもなにも譲歩をしていない」と、満場一致が勝ち取られた重要性を指摘した。

しかし、問題がいくつかある。米国はなぜ賛成したのであろうか。米国は、キューバのOAS復帰には第2項「キューバの復帰は、OASの慣習、目的、原則にしたがって対話を通じて行われる」事項を挿入させた。つまり、キューバが人権と民主主義の条件を満たさなければ、復帰に反対であるという立場である(クリントン国務長官、ロバート・ウッド国務省スポークスマン)。しかし、シャノン米ラテンアメリカ担当国務次官補が述べているように、「オバマ大統領は、キューバ政策でこの数十年で最大の変更を行った」ことも事実である。内外の世論に要求された当然の変更であり、未だ一里塚にしか過ぎないともいえるが、ともかく変化の方向に踏み出したことを無視してはならない。

しかし、一方、ファンデル・ファルコニ、エクアドル外相も、ホセ・ミゲル・インスルサOAS事務総長も、「この決議は、キューバの復帰に対していかなる条件も付けていない」と反論している。これは、大多数のラテンアメリカ諸国の見解でもあるし、それは当然の見方である。さらに、大多数の国は、キューバのOASへの復帰を希望していることを無視することも適切ではない。

ところが、肝心の当事国であるキューバは、「OASは、まったく米国の道具となっているので、OASへの復帰に関心はない。OASの存在意義はない」と、繰り返し述べている。

しかし、OASが歴史的にいかなる誤りを冒したにせよ、今回の決議のように道理と正義に基づいて最終的には誤りは正されるものである。もし、OASがその後存在していなければ、その訂正の舞台もなかったであろう。むしろ、ラテンアメリカで変革が進んでいる現在OASでは、米国の政策は少数派である。

フィデル前議長は、「キューバは平和の敵ではないし、異なった政治システムの国々の間の交流と協力に反対しているのでもない」とのべている。そうであれば、国際世論の期待に応えて、米国が設置している復帰への障害の不当性を国際世論により糾弾し、復帰を果たし、OASの土俵の中に入ることは意味がないことであろうか。そして、OASにおいて米国の対キューバ経済封鎖の不当性を訴えれば、投票は34対1という国連以上の圧倒的な大差となって、米国の対キューバ政策の不当性が浮き彫りとされるのではないだろうか。

米州大陸の中で、真の平和、非核地帯を作るには米国抜きでは成り立たないことも明らかであり、OASに代わる討論の舞台が近い将来現れる可能性も薄い。現在、ラテンアメリカ・カリブ海地域にはトラテロルコ条約という核兵器の禁止を定めた条約があり、33カ国すべてが批准している。折から、オバマ大統領は、核兵器の廃止に向かっての努力を表明している。その大統領の意向を実現するには、米国内の世論とともに国際世論も協同することが重要である。こうした米州非核地帯の創設の議論もOASで行われれば、核兵器廃絶に向かっての重要な貢献となるであろう。それは、革命勝利後、原水禁世界大会に積極的に参加してきたキューバの立場に沿うものである。

また、今後ラテンアメリカへの米国の干渉政策があれば、キューバは、OASの共通の土俵の中で、ラテンアメリカの大多数の国々の賛同を得て、道理で米国を糾弾してそれを抑制できるのではないだろうか。カストロ前議長がいう「時代遅れのごみ箱」も新しい「民主主義的変革の劇場」に生まれ変わるときに、今回のキューバ排除決議の廃止の真の意味が出てくるのではないだろうか。

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2009年6月 1日 (月)

キューバと米州機構(OAS) (1)

キューバと米州機構(OAS)

 第39回米州機構(OAS)総会が、6月2-3日、ホンジュラスのサンペドロ・スーラ市で開催される。第二次世界大戦後、米国は冷戦構造の中で共産主義の「封じ込め政策」を打ち出し、その政策の一環として1948年4月30日、米国主導のもとに米州機構憲章が採択され、それが1951年10月13日に発効し、米州機構が設立された。米州機構に先立ち、1947年共産主義の進出から米州を守る目的で、軍事同盟条約、「米州相互援助条約(リオ条約)」が設立されており、米州機構はリオ条約と対をなしている。

 現在、米州機構の加盟国は35カ国、本部はワシントンにある。事務総長は、チリ人のホセ・ミゲル・インスルサ元チリ外相。組織上、キューバは加盟国として扱われているが、1962年1月米州機構は「キューバをマルクス主義国家であり、米州機構とは相いれない」とした制裁を決議し、機構への参加を排除した。キューバは、1962年米州機構からの脱退を表明した。一方、リオ条約は、現在、加盟国はキューバを含め22カ国、しかしキューバは1962年米州機構理事会の決定で参加を停止された。また、近年になるとメキシコは、条約の現代的意味は失われたとして、2004年9月脱退した。
 
 今回の総会は、オバマ新政権になって初めての総会であること、ラテンアメリカにおいて、キューバを除外した国際的議論・会議はもはや適切ではないし、現実的でもないとの認識が一般的となってきた中で行われることが、その特徴となっている。ニカラグア、ホンジュラスは、米州機構に対して、62年の決議を破棄した無条件のキューバ復帰を提案している。この道理ある提案には、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ドミニカ国、セントビンセント及びグラナディーン、エルサルバドル、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグライなどラテンアメリカ・カリブ海諸国の大多数の国々が賛成している。

 一方、米国は、キューバの民主的複数主義、人権の尊重が不足しているおり、現状では2001年採択の「米州民主憲章」の要件を満たしていないので、それらを改善する必要があると主張している。しかし、この条件つきの復帰を主張しているのは、米国とカナダなど数カ国に過ぎない。先週の米州機構会議では、決着がつかず、この問題を議論するための「作業部会を設置する」ことが決められた。

 ところで、キューバは、この米州機構は、「設立以来米国のラテンアメリカ支配の道具とされ、グアテマラ反革命侵攻(1954年)、キューバのプラヤ・ヒロン傭兵侵攻(1962年)、米海兵隊のドミニカ共和国侵攻(1965年)、米軍のグラナダ侵攻(1983年)を支持し、マルビナス=フォークランド戦争(1982年)、米軍のパナマ侵攻(1989年)などにおいてまったく無力であった。もう機構そのものが腐食しており、役に立たないので復帰するつもりはない」と繰り返しのべている。

 しかし、筆者には、こうしたキューバの原則的ではあるが、かたくなな態度は、キューバの無条件の復帰を主張している国際社会の多くの善意にどう沿うことができるかと危惧される。確かに米州機構は、アメリカのラテンアメリカ支配の道具として使われてきたが、近年ラテンアメリカにおいては自主的な動きが強まり、米国の対キューバ経済封鎖、コロンビア軍のエクアドルへの越境攻撃(2008年)など、問題によっては米州機構の中で米国が孤立する場面もしばしばみられるようになってきている。

 キューバが無条件に復帰すれば、米国は積年の反共主義政策の誤りを認めたことになる。さらには米州機構という土俵の中で正当な議論によって米国やその他の域内の国の不当な覇権主義政策、内政干渉政策があれば、それを批判するなどして国際社会で正しい世論をつくりあげていくこともできる。機構が、歴史的に問題を抱えているにしても、米州憲章は、国連憲章の尊重とともに、紛争の平和的解決、各国の主権と独立の尊重、各国の平等、領土保全をうたっており、加盟国にそれらを文字通り遵守させるよう働きかけることが重要ではないかと思われる。

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2009年5月11日 (月)

米国・キューバ関係改善の条件は?

米国にウエイン・スミスというキューバ研究者がいる。1959年1月8日、フィデル達、7・26運動の勝利者たちがハバナに入城してきたとき、若き外交官としてハバナでそれを見ていた。米玖関係が61年1月断絶したとき、キューバを去った。そして、ケネディ政権のもとでラテンアメリカ政策を立案する要職に任命された。

その後、1977年カーター政権が、キューバとの関係改善をめざして、ワシントンとハバナに双方が利益代表部を設置したあと、彼は、1979年ハバナの利益代表部首席を任じられた。彼は、その後レーガン政権の対キューバ政策と合わず、1982年に国務省を退官した。以後、豊富なキューバとの外交経験を生かして、米国きってのキューバ外交通として健筆をふるっている。
 
この彼が、最近、アルゼンチンの新聞とのインタビューで、オバマ政権の対キューバ政策について、次のように厳しい批判を行っている。
「オバマ政権が、キューバへの旅行制限と送金について若干、緩和したが、それをもって、今度は、キューバがなんらかの行動を取るべきだといっているのは、間違いである。オバマ大統領は、ブッシュ前政権のような敵対的行動は継続していないが、彼の演説は硬派のトーンをもっている。しかし、経済封鎖を行っているのは米国であり、キューバではない。キューバにたいして「制裁」をおこなっているのは米国であり、その逆ではない。したがって、私がキューバについて知っている少ないことからしても、このような少しの譲歩で、キューバ側に妥協の行動を要求するのは現実的ではない」。
 
事実、オバマ政権は、最近でも、4月30日には、国務省が「2008年テロリズムに関する国別報告書」で、キューバをテロ支援国家リストに継続して指定している。キューバ側にも、60年代のラテンアメリカの武装闘争への介入についての公式の自己批判がないこと、ペルーのセンデーロ・ルミノーソ、コロンビアのコロンビア革命軍(FARC)という反政府武装勢力への一時期の支持という弱点はあるが、現在のキューバがテロ支援国家とは到底いえないことは、ラテンアメリカ 諸国がこぞって認める事実である。さらにオバマ政権は、5月4日は、キューバの国民的シンガーソング・ライターのシルビオ・ロドリゲスへのビザを発給しないという間違った態度をとっている。
 
キューバ側は、当然のことながら、米国との対話は、無条件で、あらゆるテーマを話し合うことを繰り返し提案している。

さらに、この機会に、米国とキューバの関係改善の基本的な原則を再確認しておくことも有意義であろう。それは、米国の経済封鎖の解除、グアンタナモ海軍基地の返還、キューバの内政問題への不干渉、対等・平等・相互尊重であろう。これらは、二国間で関係を回復し、良好な関係を築くためには不可欠の条件である。
 
キューバには、米国国民の優れた国民性、文化を高く評価しつつも、「米国は、ちょっと指を突っ込むと肩まで引き込むから、いささかの妥協も危険だ」という認識が国民の中に広くある。これをウエイン・スミスも知っていれば、「米国の譲歩は、未だ少しである」という量的な問題に限定することはなかったであろう。米玖関係の改善は、包括的・全面的なものでなければならいが、そのカギは米国が握っており、キューバ側にはない。

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2009年2月 7日 (土)

誠実な外交とは

誠実な外交とは

昨日のフィデルの13項目の質問に、オバマ大統領本人ではないが、ラム・エマヌネル首席補佐官が記者会見で回答した。

同補佐官は、記者団の質問に、「オバマ大統領が関心があるのは、キューバ系米国人である。キューバ系アメリカ人のキューバ訪問と送金を承認する」と述べるに留まった。全体として、誠実さに欠ける回答であった。

フィデルは、5日、省察「即座の回答」で、「回答がないよりも良いが、1200万人のキューバ人には関心がないのか。キューバ人地位調整法、経済封鎖などの重要な質問には深入りせず、回答していない」と批判し、「これでは、早くもオバマ政治の純粋性が失われつつある」と警告した。

この問題をはぐらかす態度は、補佐官の性格かも知れないが、チェンジを掲げるオバマ大統領のイメージには程遠いものである。

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2009年2月 5日 (木)

フィデルのオバマへの質問状「オバマの政策と倫理の間の矛盾」

フィデルの質問状、「オバマの政策と倫理の間の矛盾」

2月4日、フィデルは、省察「オバマの政策と倫理の間の矛盾」で、次の13項目にわたり、原則的な問題をオバマ大統領に送り、これらをどう思うか、回答を求めた。前にも述べたが、ここにはキューバの対米政策の根本的な姿勢が見られるので、紹介しておきたい。

① ほとんど例外なく米大統領が指示してきた外国人政敵の暗殺
② アイゼンハワー以来、キューバに行われてきた暗殺計画、キューバ侵攻、テロ・キャンペーン、国内反体制への武器の供給
③ キューバに対して数十年行われてきた人と家畜に対する細菌作戦
④ キューバ人だけに居住特権を与えるキューバ人地位調整法
⑤ 対キューバ経済封鎖
⑥ 資源国での加工を行わない米多国籍企業の特権的行動
⑦ 米国の石油の自給化による供給国の外貨収入をどうするか
⑧ 自動車産業による環境破壊
⑨ 盲目的市場を合理的に管理できるか
⑩ 原子力発電による自然環境破壊と人体への影響
⑪ 大気・海洋汚染
⑫ これらの矛盾を倫理を転換することなく解決可能か
⑬ バイ・アメリカン運動、これはWTOの原則と矛盾しないか

これは、ちょうど、1998年、キューバとローマ・カトリック教会が関係を修復して、教皇ヨハネ・パウロ2世がキューバを初訪問した際、ハバナ空港での歴史的な歓迎式典において、カストロ議長(当時)が、世界の窮状を次のように教皇に訴えたことを想起させる。

「・・・猊下の世界各地への長い巡礼によって、猊下のご自分の目で、多くの不正義、不平等、貧困、耕作されない荒地、食べ物も土地もない農民、失業、飢餓、疫病、わずかのお金の不足で救うことができない生命、非識字者、少女売春、6歳から始めている少年労働、あるいは生きるために物乞いをしている少年、非人間的な条件のもとで生活している数億人にのぼる貧困生活者、人種・性差別、土地を奪われた不幸な少数民族、外国人排外主義、他民族蔑視、破壊された、あるいは破壊されつつある文化、低開発、高金利の借款、回収不能かつ支払不能の対外債務、不等価交換、巨大かつ非生産的な金融投機、無慈悲にあるいはおそらくは他に方法もなく破壊された環境、あきれるほどの商業主義、戦争、暴力、虐殺の目的で行われる傍若無人の武器貿易、広範にみられる腐敗、麻薬、あらゆる国民に理想的なモデルとして押し付けられる消費主義をご覧になることができたと思います。
・・・この世紀だけでも人類の人口は、ほぼ四倍も増加しました。何十億という人類が、正義に対して飢えと渇きを覚えています。人類の経済的、社会的災厄の一覧表は、無限です。そのうちの多くが、猊下にとって恒常的かつ日々深まっている関心事であると理解しています。猊下は、これらの問題をどう考えられますか」(Granma, Enero 22, 1998.)。

これは、16世紀にスペインの植民地主義がアメリカ大陸で先住民に対して行った蛮行をローマ教皇に厳しく糾弾したラス・カサス司教を彷彿させる姿であった。

関係の修復の際、相手のことを思い図り、原則問題に触れないという態度はとらず、原則は厳しく守りつつ、対等、平等の立場で、関係修復を行うというキューバの姿勢がここにもうかがわれるであろう。米玖関係で、キューバも何らかの譲歩をと考えると、米玖関係の進展を読めなくなるであろう。

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2009年2月 2日 (月)

「非アメリカ」とはどういう意味?

「非アメリカ」とはどういう意味?

『悪魔の辞典』(西川正身編訳、岩波文庫)という傑作な本がある(原本は1906年刊)。著者は、アメリカ人のビアス(1848-1913)である。彼は、変わった人物で、晩年メキシコ革命に共感。メキシコに行き、パンチョ・ビージャ派と行動を共にし、消息不明となった。その物語をメキシコの著名な作家、カルロス・フエンテスは、「おいぼれグリンゴ(Gringo Viejo)」(安藤哲行訳、集英社、邦訳名は『私の愛したグリンゴ』)と題して小説にしている。映画にもなり、グレゴリー・ペックが主役を演じた。

その『悪魔の辞典』に、「非アメリカの(un-American adj.)」という項目がある。そこにはこう説明してある。
 「=邪悪な、許しがたい、異端の」

それから100年経った2006年、チョムスキー教授は、「アメリカの真の敵は、独立を求めるナショナリズムであることは、少し調べればすぐわかることである」と述べた。米国によるアジェンデ人民連合政権転覆活動も、キューバのカストロ政権転覆活動も、経済封鎖も、ソ連の脅威からではなく、アメリカの政策に対する反抗がその原因であると的確に指摘している。

米国のラテンアメリカ史研究の泰斗、ラーズ・シュホルツ教授によれば、「米国は、ずっとラテンアメリカ諸国の人々が劣った存在であるとみなしてきたことが、最大の間違いである」と述べている。

オバマ新政権との対話に、キューバは経済封鎖の解除とか、5人のキューバ人政治囚の釈放など、前提条件を付けていない。対等、平等、相互尊重、互恵というだれしも否定できない原則を主張しているだけである。一方、オバマ政権は、キューバ国内の民主化という条件を付けている。それは、上記の賢人の指摘したことが、今でも米国では変わっていないことを示しているであろう。

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2009年1月31日 (土)

米国に収監中の5名のキューバ人政治囚の問題について

米国に収監中の5名のキューバ人政治囚の問題について

1998年「スパイ容疑」で逮捕され、現在米国の各地に収監中のキューバ人5名の裁判が、近く米国の最高裁判所で審理される予定です。この問題を考える資料として、下記に問題の概要を紹介します。

まず、本件は、いわゆる冤罪事件(完全無罪のでっち上げ事件)ではありません。告訴内容にはIDカードの偽造、外国情報機関のエージェントあることの事前の報告義務(これは、奇妙な内容としても法は法で存在しています)の違反など、確かに5名は米国内法に違反する行為を犯しています。そのことを、逮捕時に5人とも検事に対してこの罪を認めています。

しかし、これらはいわば微罪であり、1998年からの10年間の長期拘留を正当化するものではありません。10年間の拘留の理由とされている米国の国家安全保障に関する情報の漏洩については、被告側はそういう要件を構成しないと反論しています。事実を審査すると大きな疑問があります。この点は不当な裁判結果といってよいでしょう。また、マイアミで裁判を行うなど、裁判のあり方も公正でないことが指摘されています。

昨年12月17日、ラウル議長は、オバマ次期政権との関係改善のための行動として、キューバ国内の200余名の政治囚とマイアミで長期収監中の5名のキューバ人との交換を申し出ました。米国政府は、即座にこれを拒否しました。しかし、この提案には法的側面からすれば複雑な問題が含まれており、釈放の可能性は見られません。この問題は、双方が政治的な要素を絡めないで、純法律的に処理し、即座に釈放することが求めらます。

▽突然5名がスパイ容疑で逮捕される

ヘラルド・エルナンデス・ノルデロ、ラモン・ラバニーニョ・サラサール、フェルナンド・ゴンサーレス・ジョル、レネ・ゴンサーレス・シワラート、アントニオ・ゲレーロ・ロドリゲスの5名は、1998年9月12日、突然マイアミでFBIによって逮捕され、拘留されました。実は、同年7月キューバ内務省は、ハバナで開催された米連邦調査局との会議で、マイアミでキューバの破壊活動の準備が行われていることについて詳細な資料と提供しており、それが逆に使用されたのでした。

 98年9月15日、5名の当初の起訴容疑は、破壊謀議、スパイ謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽、IDカード偽造というものでした。5名とも検察に対して、外国諜報機関のエージェントであることは認めましたが(Rodolfo Dávalos Fernández, Estados Unidos VS. Cinco Héroes, Editorial Capitán San Luis, La Habana, 2005, p.6)、米国に対する国家機密の諜報活動は否定しました。しかし、翌年99年5月、検事側は突然ヘラルドを「殺人謀議」で告発しました。

実は、3年以上も前の96年2月24日、マイアミの亡命キューバ人過激派組織「エルマーノス・アル・レスカーテ(救援のための兄弟)」の民間機4機が、事前のキューバ側の度重なる警告にもかかわらず、キューバ領空を侵犯し、そのうち2機がキューバ空軍機により撃墜され、4名が死亡するという事件がありました。ヘラルドの容疑は、彼が「救援のための兄弟」の飛行計画をキューバ諜報機関に通報したというものでした。

▽不当な裁判指揮

その後、5名は、2000年2月3日まで17ヶ月間、独房(懲罰房)に収監されるという異常な処置を受けました。一般には、懲罰房は、服役態度が刑務所の規則に著しく違反した場合、それも最長60日とされています。5名は照明がほとんどない懲罰房に収監の間、弁護士や家族との面会や通信が制限されたり、不当な扱いを受けています。

2001年6月8日、フロリダの連邦裁判所法廷で12人の陪審員は、5名を有罪と認めました。しかし、陪審員の多くはマイアミいる全米キューバ系アメリカ人財団(CANF)、アルファ66、コマンドF-4などの亡命キューバ人過激派組織の近くに居住しており、かれらの圧力を受けています。また陪審員の選定の過程で、アメリカの対キューバ経済封鎖について賛成かどうかという、事件とは直接関係のない問題が選定の基準とされるという不当な運営が行われました。2001年12月11日-18日、レナード判事は、5名に次のような判決を下しました。

▽5名の容疑と判決

ヘラルド・エルナンデス・ノルデロ:1965年ハバナ生まれ、キューバ外務省国際関係大学卒業。容疑:殺人謀議、スパイ謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽、IDカード偽造。判決:2期分無期懲役+懲役15年。
ラモン・ラバニーニョ・サラサール:1963年ハバナ生まれ、ハバナ大学経済学部卒。容疑:破壊謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽、スパイ謀議、IDカード偽造。判決:無期懲役+懲役18年。
フェルナンド・ゴンサーレス・ジョル:1963年ハバナ生まれ、キューバ外務省国際関係大学卒業。容疑:破壊謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽、IDカード偽造。判決:懲役19年。
レネ・ゴンサーレス・シワラート(アメリカ国籍を所有):1956年シカゴ生まれ、パイロット、飛行機操縦インストラクター。容疑:破壊謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽。判決:懲役15年。
アントニオ・ゲレーロ・ロドリゲス(アメリカ国籍を所有):1958年マイアミ生まれ、ソ連のキエフ工科大学飛行場建設工学科卒業。容疑:破壊謀議、スパイ謀議、外国諜報機関のエージェント隠蔽。判決:無期懲役+懲役10年。

▽5名は容疑を否定し、控訴

5名は、ジョーン・レナール、マイアミ連邦裁判所判事に、マイアミでは、検事、陪審員、弁護側証人が亡命キューバ人過激派諸組織からいろいろな圧力を受けるので、裁判を行う場所としては不適切だとして、マイアミ以外での裁判を要求していますが、レナール判事は、これを拒否しています。また、同判事は、弁護士に検事側提出の証拠類の閲覧を許可しなかったり、あるいは書類の部分的閲覧しか認めないという不公正な裁判指揮を行っています。他方で、検事側により、裁判書類の一部が、過激派キューバ系アメリカ人グループに漏洩され政治宣伝の材料にされるという異常なことも起きています。

5名は、殺人謀議、破壊謀議、スパイ謀議、アメリカの軍事基地への侵入を全面的に否定し、90年代初めにキューバからアメリカに派遣されたのは、アメリカの過激派による対キューバテロ活動についての情報を事前に入手し、キューバ側がそれを防ぐ体制をとることによって、テロ活動を避け、両国の関係の悪化を防ぐ目的であったと反論しています。また、5名は、もはやキューバは、アメリカの安全保障にとって脅威とはなっていないという、元米南方軍司令官チャールズ・ウイルヘルム将軍やクリントン政権のキューバ担当補佐官リチャード・ヌシオ氏などの証言からも、アメリカの安全保障を脅かす情報を手に入れる必要がないと弁論するととともに、誰をも殺傷していないことは明白であると主張しています。5名は、近く、最高裁判所で審理される予定です。

▽問題の核心

この逮捕・裁判については、次の点を銘記する必要があると思われます。
1. この背景に、キューバの民族自決権を認めない、アメリカの対キューバ敵視政策、テロ政策が行われているという状況があること。キューバでは、アメリカの破壊テロ工作によって、革命勝利後42年間で3478人が死亡、2099人が負傷しています。細菌テロでは、344,203人が被害、158人が死亡したと報告されています。カストロ議長への暗殺未遂テロは、637件に上ると言われています。したがって、何よりも、アメリカのキューバ干渉政策を一日も早く止めさせなければなりません。

2. キューバがもはやアメリカの安全保障にとって脅威ではないということは、アメリカの少なくない元高級軍幹部や議員によっても主張されています。さらに5名がアメリカの安全保障に関わる情報を漏洩したことは、証明されていません。

3. マイアミという亡命キューバ人の過激派の諸組織が存在している場所で裁判が強行されていることをはじめ、今回の一連の裁判指揮には、多くの不公正がみられること。
4. 未決の5名の拘留者に対する非道な人権侵害が行なわれていること。

 以上の点から、5名に対する正当な裁判が行わなければならないと思われます。

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2009年1月30日 (金)

米玖関係の改善は、何を基礎とするか?

米玖関係の改善は、何を基礎とするか?

 カストロ前議長が、1月29日の省察、「米国新大統領の思考を読み解く」で、オバマ大統領の政策を論評した。同省察は、「オバマ大統領が、キューバにあるグアンタナモ米海軍基地内の収用所を廃止することを決定したあと、同基地のキューバへの返還には、米国の防衛能力にどう影響するかを検討しなければならない。さらに、返還に対応してキューバ側もどういう譲歩を行うかも考慮しなければならない」と述べたことを原則に関わる問題として、厳しく非難した。

 また、カストロ前議長は、「キューバ国民の意思に反して維持されている軍事基地に居座ることは、国際法に違反するうえ、キューバが半世紀もたたかって勝ち取った政治制度の変革を要求するのは、キューバの主権の無視であり、小国への大国の権利の濫用である」と批判した。

 さらに、「その外交政策は、就任直後の22日に米国の主要な同盟国である核保有国イスラエルを中東問題に関して断固として支持することを表明したことに現れているように、ブッシュ政権の政策を踏襲するものである」と結論付けている。
 
 オバマ大統領の就任後、キューバ政権の高官が、外交的に慎重に発言していることをもって、一般のマスコミは、キューバ側が、オバマ政権の「チェンジ」を期待しているかのように報道してきたが、筆者がこれまでこのブログで指摘してきたように、米玖関係を理解する鍵は、米国のどのような政権であれ、キューバの主権を尊重し、対等、平等、互恵、相互尊重の立場に立ったときにはじめて、関係が修復し、発展するものであることを見失ってはならない。こうした考え方が「チェンジ」しなければ、米国は、当面、軍事的にはラテンアメリカで超大国として君臨し続けうるかもしれないが、政治的にはラテンアメリカでの孤立は深まるばかりであろう。

 キューバも、ベネズエラも、ラテンアメリカの国々も、「反米」ではないのであり、単に当然の自主的な立場を取ろうとしているだけである。現在のラテンアメリカ諸国の自立の動きを「反米大陸」と捉えるのは、ラテンアメリカを「裏庭」と見なす考え方の裏返しである。

興味のある方は、カストロ前議長の省察を参照。

「09.01.29 Descifrando el pensamiento de Obama.doc」をダウンロード


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2009年1月23日 (金)

オバマ新大統領によるグアンタナモ収用所の閉鎖について

オバマ新大統領によるグアンタナモ収用所の閉鎖について

オバマ大統領は、22日、米海軍基地グアンタナモ基地内にある収用所を閉鎖する行政指令書に署名しました。しかし、これは、グアンタナモ海軍基地を閉鎖することではありませんので、早とちりしないように。

キューバ側は、これは米国の内政政策で、捕虜拷問などについての国際的な批判からしても当然の行為とみなし、対キューバ外交政策の転換とは見ていません。ラウル議長は、1月22日ロシアのタス通信との独占インタビューで、「それだけでは不十分で、グアンタナモ基地のキューバへの返還こそ、キューバが望むものである。現在は、軍事的にもこの基地は意味がない」と、キューバの歴史的な原則的立場を表明しています。

なお、グアンタナモ基地については、このブログ内の「グアンタナモ基地」を参照ください。

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2009年1月 4日 (日)

米国の対キューバ経済封鎖資料(1)

米国の対キューバ経済封鎖資料 (1)

米国は、1962年からキューバに対して全面的禁輸措置を取っています。これは、よく「経済制裁」ともいわれていますが、「制裁」とは米国の政策が正当であるかの誤解を与えます。キューバは、米国の企図がキューバ革命を全面的禁輸措置(革命勝利前、対米貿易は全貿易の70%以上を占めた)によって圧殺しようということから、これを「封鎖」と呼んでいます。

08年10月29日第63回国連総会において、決議案A/63/L4、「米国の対キューバ経済封鎖・通商・金融封鎖を解除する必要性」が、賛成185カ国、反対3国(アメリカ、イスラエル、パラオ)、棄権2カ国(マーシャル諸島、ミクロネシア)という圧倒的大差で採択されました。昨年欠席のアルバニアが賛成に回り、賛成国は昨年と比較して1カ国増え、国連加盟国192カ国の96.4%が賛成しました。

これで、米国の不当ないわゆる「対キューバ経済封鎖」政策は、17年連続して国際社会の圧倒的な意見で解除が要求されたことになります。この決議の採択について、デスコト国連総会議長が述べているように、国際社会は、「ほぼ満場一致」で米国の対キューバ経済封鎖が、国連憲章、国際法、民族自決権、内部問題不干渉、国内政策の域外適用、自由貿易に反するものとして、厳しく批判しました。解除賛成演説で、非同盟諸国代表、グループ77+中国代表、カリブ共同体代表、南米南部共同体代表、欧州共同体代表などが、一様に時代遅れの不当な米国政府の政策を批判しています。今や、国際的に孤立しているのは、米国政府であることが、明確になっています。

今回の解除決議は、米国内では大統領選挙間近で、国民が新自由主義政策の悲惨な結果から国内政策の真の変化を望んでいること、イラク戦争に見られる米国の単独行動主義外交が破綻して、外交についても国民が変化を望んでいること、米国の新自由主義グローバリゼーションが破綻し、米国発の金融・経済危機が世界に波及して、国際的な協調が必要とされているという新たな状況の中で行われたことが大きな意味を持っています。

こうした国の内外の状況から、米国の新しい大統領は、国内、国際世論を尊重して、現在のキューバ政府と、対等・平等・互恵・相互尊重・内部問題不干渉・民族自決権の尊重の原則に立って、無条件で話し合いのイニシアティブを取ることが要求されています。

国連総会における米国の対キューバ経済封鎖解除決議投票結果1992-2008
決議正式名称:「米国の対キューバ経済・通商・金融封鎖解除の必要性」

年度  賛成   反対    棄権   欠席
1992 59 3 71 46
1993 88 4 57 35
1994 101 2 48 33
1995 117 3 38 27
1996 137 3 25 20
1997 143 3 17 22
1998 157 2 12 14
1999 155 2 8 23
2000 167 3 4 15
2001 167 3 3 16
2002 173 3 4 11
2003 179 3 2 7
2004 179 4 1 7
2005 182 4 1 4
2006 183 4 1 4
2007 184 4 1 3
2008 185 3 2 2

反対国:2004年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2005年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2006年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2007年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2008年 アメリカ、イスラエル、パラオ
    日本は、97年より賛成投票。
2004年棄権国(1):ミクロネシア
2004年欠席国(7):エルサルバドル、イラク、モロッコ、ベリア、ニカラグア、ウズベキスタン、バヌアツ。
2005年棄権国(1):ミクロネシア
2005年欠席国(4):ニカラグア、エルサルバドル、モロッコ、イラク
2006年棄権国(1):ミクロネシア
2006年欠席国(4):コートジボワール、エルサルバドル、イラク、ニカラグア
2007年棄権国(1):ミクロネシア
2007年欠席国(3):アルバニア、エルサルバドル、イラク
2008年棄権国(2):マーシャル諸島、ミクロネシア
2008年欠席国(2):エルサルバドル、イラク

キューバの累積損害額1962年以降 (キューバ政府発表):
2004年:793億ドル
2005年:820億ドル
2006年:860億ドル
2007年:890億ドル (時価評価額2,220億ドル)
2008年:930億ドル(時価評価額2,246億ドル)

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米国の対キューバ経済封鎖資料 (2)

米国の対キューバ経済封鎖資料 (2)

第63回国連総会決議第A/RES/63/7号
                        2008年10月29日

アメリカ合衆国の対キューバ経済・通商・金融封鎖解除の必要性

 国連総会は、
国連憲章において定められている神聖な目的と原則を厳粛に尊重することを決意して、
 
 それらの原則の中でも、また多くの国際司法機関においても定められている神聖な原則、すなわち諸国間の主権の平等、内部問題に対する不干渉・不介入、国際通商・航行の自由を再確認して、
 
 一方の国から他の方国に対して、国際通商の自由な流れを阻害する、経済的、通商的措置の一方的な適用を廃止する必要性に関して、これまでのイベロアメリカ首脳会議において国家元首または政府首班によって作成された宣言を考慮して、
 
 1996年3月12日に公布された「ヘルムズ=バートン法」として知られているような法律あるいは規制措置が、加盟諸国によって引き続き公布され、適用されていること、また同法が、米国の領域外に適用され、他国の主権、他国の法制下にある企業及び個人の合法的利益、また通商・航海の自由を侵害していることを憂慮して、
 いろいろな政府間会議、機関、政府の宣言及び決議が、前述した種類の措置の公布と適用に対する国際社会及び世論の拒否を表明していることを考慮して、
  
 1992年11月24日の決議第47/19号、1993年11月3日の決議第48/16号、1994年10月26日の決議第49/9号、1995年11月2日の決議第50/10号、1996年11月12日の決議第51/17号、1997年11月5日の決議第52/10号、1998年10月14日の決議第53/4号、1999年11月9日の決議第54/21号、2000年11月9日の決議第55/20号、2001年11月27日の決議第56/9号、2002年11月12日の決議57/11号、2003年11月4日の決議58/7号、2004年10月28日の決議59/11号及び2005年11月8日の決議60/12号、2006年11月8日の決議61/11及び2007年10月30日の決議62/3を想起して、
 
 決議第47/19、決議第48/16号、決議49/9号、決議第50/10号、決議第51/17号、決議第52/10号、決議第53/4号、決議第54/21号、決議第55/20号、決議第56/9号、決議57/11号、決議58/7号、決議59/11号、決議60/12号、決議61/11及び決議62/3の採択後に、キューバに対する経済・通商・金融封鎖を強化し、拡大することを目的としたこの種の新たな諸措置が引き続き公布され、適用されていることを憂慮し、またキューバ国民と他国に居住するキューバ国民に対するこれらの措置の否定的影響をも憂慮し、

1. 決議第62/3号の履行についての事務総長報告を考慮する。
2. すべての加盟国は、とりわけ通商と航行の自由を再確認している国連憲章及び国際法に従って義務を果たすべく、本決議の前文において指摘されている種類の法律及び措置を公布し、適用することを謹むよう、再度呼びかける。
3. この種の法律及び措置が存在し、それらを引き続き実行している各国に対して、できるだけ短期間に、その法制度に従って、それらを廃棄するか、無効とするための必要な措置を取るよう、再度切望する。
4. 国連憲章及び国際法の目的と原則に照らして、本決議の履行についての報告を、然るべき国連の諸機関及び諸組織と協議して準備し、それを第64回国連総会に提出するよう、事務総長に要請する。
5. 第64回国連総会の暫定計画に議題「米国の対キューバ経済・通商・金融封鎖解除の必要性」を含めることを決定する。

第62回国連総会、2008年10月29日
(新藤通弘訳)

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