尊敬する3人のキューバ人は?と問われて
最近、あるキューバ関係の人から、小生が尊敬する3人のキューバ人をあげてほしいと言われました。生存している人は、公的には対象としないというのが、私の考え方ですので、次の3人をあげました。
ホセ・マルティ1853-1995 政治家、哲学者、思想家、詩人、独立戦争の闘士。19世紀の後半のラテンアメリカの屈指の人物でした。
マルティは、次の遺書的書簡を死の直前に残しています。
「米国が、アンティル諸島に手をのばし、さらにより強大な力で、アメリカのわれらの国ぐにを支配しようとすることを、キューバの独立でもって適時に阻止するのが、私の義務です。そして、わが国とその義務のために、私は、生命をささげる危険に連日さらされているのです。・・・私は怪物の中に住んだことがありますので、その胎内を知っています。私の投石器はダビデと同じものです」(1995年友人のマヌエル・メルカド宛ての手紙)。
ニコラス・ギジェン(1902-1989)国民的詩人、ムラート、もう少し生きていれば、ノーベル文学賞を受賞したといわれています。
詩「わが祖国は外は甘いが」(1947)
わが祖国は外は甘いが・・・
わが祖国は外は甘いが、
中は大変苦い
その春の緑によって
その春の緑によって
わが祖国は外は甘いが
中には苦い太陽
なんという沈黙した青い空
お前の痛みは感じられない
なんという沈黙した青い空
ああ、キューバよ、神がお前に与えたものは
ああ、キューバよ、神がお前に与えたものは
お前の空はこんなにも青いのに
トマス・グティエレス・アレア1926-1996 映画監督、1951-53年ローマのチネチッタで映画制作を学ぶ。イタリア・ネオリアリズムの影響を受け、60年代新ラテンアメリカ運動を推進しました。代表的な作品に「低開発の記憶」(1968)、公園からの手紙(1988)、苺とチョコレート(1993)、グアンタナメーラ(1995)。キューバ映画の巨匠とみなされました。社会風刺をきかしたユーモアある作品が得意でした。
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