カテゴリー「旅行・地域」の記事

2012年3月14日 (水)

キューバ、地理研究文献

キューバ、地理研究文献

日本からキューバに一日で到着する飛行便もでき、キューバ旅行に関心を持っている人が増えているようです。と同時に、キューバの地理についても関心が深まっているようです。キューバで発行された地理学の本は、少ないものですが、今回は、キューバの地理研究の基本的な文献を紹介しましょう。また、日本語のキューバ旅行案内は、間違いが少なからずあり、気をつけなければいけませんが、下記の世界的な水準の旅行案内2冊は、地理学の本としても役立ちますので、紹介します。

Alejandro de Humboldt, Ensayo Político sobre la Isla de Cuba, Oficina del Historiador de la Ciudad de La Habana, La Habana, 1959. 1800年キューバを訪問したドイツ人の世界的地理学者のアレクサンダー・フンボルトのキューバ紹介書。当時の統計数字も豊富。フンボルト(1769-1859)は、第二のキューバ発見者といわれている。

Aldo Baroni, Cuba, País de Poca Memoria, Ediciones Botas, La Habana, 1944.

Antonio Núñez Jiménez, Geografía de Cuba, Editora Pedagógica, La Habana, 1965. 革命後出版された、最初のキューバ地理の本。第一次農業改革時の貴重な数字あり。

Antonio Núñez Jiménez, Introducción a Cuba: La Geografía, Instituto del Libro, La Habana, 1969. キューバ地理の入門書

Atlas de Cuba, Academia de Ciencias de Cuba y Academia de Ciencias de la URSS, La Habana, 1970. 大判の地図帳。数々の産業地図を掲載。地図そのものは、75万分の1を掲載。

Jorge Carasa Pereira ed., Miniatlas de Cuba, Instituto Cubano de Geodesia y Cartografía, La Habana, 1976.

Atlas de Cuba, Instituto Cubano de Geodesia y Cartografía, La Habana, 1978.
革命勝利20周年を記念して出版された地図集。30万分の1の地図を掲載。

Antonio Núñez Jiménez, Cuba: La Naturaleza y el Hombre, Editorial Letas Cubanas, La Habana, 1982. 691ページ。 キューバの自然と人と歴史

Alberto Salazar Gutiérrez y Víctor Pérez Galdés, Visión de Cuba, Editora Política, La Habana, 1987. 1987年時点におけるキューバの地理、歴史、文化、産業についての紹介。

Fernando Ortiz, Entre Cubanos: Psicología tropical, Editorial de Ciencias Sociales, La Habana, 1993.

Andrew Coe, Cuba, Odyssey, Hong Kong, 1995. 信頼できる旅行案内。

Roberto Gutiérrez Domech y Manuel Rivero Glean, MINI Geografía de Cuba, Editorial Científico-Técnica, La Habana, 1997. 141ページ。キューバ地理概説。

Christopher P. Baker, Cuba Handbook, Moon Travel Handbooks, 1997.キューバの旅行案内書に留まらず、文化、歴史も言及。

Jorge Luis Curbelo, Cuba y La Habana, Límite Visual, La Habana, 1999. キューバ政府所官庁の協力のもとに書かれた、キューバ案内書。歴史、地理、生活、芸術、文化、慣習、建築などキューバ社会を全面的に紹介。豊富な写真と図解が魅力。

Comisión Nacional de Nombres Geográficos, Diccionario Geográfico de Cuba, Oficina de Hidrografía y Geodesia, La Habana, 2000. キューバの地理学会が総力をあげて編集したキューバの地理辞典。386ページ。

M.C.Pedro A. Hernández Herrera y otros, Temas de Geografía de Cuba, Noveno grado, Editorial y Educación, La Habana, 2000. 中学3年生用の地理の教科書。

Luis Martínez-Fernández, D.H.Fugueredo, Louis A. Pérez Jr., and Luis González, Encyclopedia of Cuba Volume 1 and 2, Greenwood Press, Westport, 2003. キューバに関する百科事典。

Louis A. Pérez Jr., Ser Cubano: Identidad, Nacionalidad y Cultura, Ediciones de Ciencias Sociales, La Habana, 2006. キューバ人の国民性の形成の歴史。

Renato Recio, Eduardo Jiménez y Milena Recio, Cuba, Bonechi, Editorial José Martí La Habana, 2006. 信頼できる旅行案内。

Carmen R. Alfonso Hernández, 100 preguntas y respuestas sobre Cuba, Editorial Pablo de la Torriente, La Habana, 2008. 179pp.

Max Cucchi, Cuba: Guía Turística, Cuba Sí Magazine, La Habana, 2008. キューバ観光省の全面的な協力を得て編集されたキューバ旅行案内書。豊富な写真、図解により、地理、歴史、文化、建築、宗教、芸術を解説する、読んで楽しい案内書。

Cuba: Mapa Geográfico, Ediciones GEO, 2009. 観光用の地図だが、地理的にも詳細に説明。123万分の1.

Claire Boobbyer, Frommert’s Cuba, 4th Edition, Wiley Publishing, Hoboken, 2009. キューバ旅行ガイド。

Alan West-Durán ed., Cuba Vol.1 and Vol.2, Gale, Detroit, 2012. キューバに関する百科事典。

(2012年4月10日 新藤通弘)

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2011年4月13日 (水)

キューバと地震

3月11日東日本大震災が起きてから、1カ月が経過しました。死者、行方不明者を合せた犠牲者数は、3万人近くに達し、今なお、15万人の方が避難生活をされています。被害総額は、3月下旬時点で、16兆~25兆円と推計されています。しかも、この数字には、依然として完全に冷却されていない東京電力の原子力発電所事故や放射能による被害は含まれていません。広域な近隣県に増え続けている放射能による農・漁業の膨大な被害を考えると、最終的にどの程度の被害になるか想像もつきません。完全に破壊された家屋、ビル、設備、車両、船舶、道路、港湾、生活インフラの映像、被災から立ち直ろうとしている人びとの懸命な姿には、大きく胸が痛みます。犠牲者には深くお悔やみを申し上げるともに、一刻も早く復旧の道が進むことを願ってやみません。

こうした状況から、昨年1月にハイチで発生したマグニチュード7.3の大地震を想いだし、隣国のキューバは大丈夫だろうかと心配する人も多いと思います。そこで、以下、キューバの地震状況をお話ししたいと思います。

続きは、添付のPDFをご覧ください。
「11.04.13 東日本大震災が起きてから.pdf」をダウンロード

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2009年1月 2日 (金)

キューバ基礎データ

キューバ国旗

国旗の柄とその由来
 キューバの国旗は、1849年にナルシソ・ロペス将軍が、スペインからの独立闘争のためキューバに上陸する際に、ミゲル・テウルベ・トロンに依頼して作成したものです。3本の青い横縞の線と左横の赤の三角とその中の1つの星からできています。3本の線は19世紀半ばのキューバが3つの県に分かれていたことを意味し、赤の3角は独立戦争の中で流された血を意味し、一つの星は、自由な祖国の理念が高く掲げられていることを意味します。


なお、キューバの北岸はメキシコ湾、フロリダ海峡で、南岸がカリブ海です。ハバナの海岸で見る夕日は、メキシコ湾の落日で、カリブ海の落日ではありません。

キューバ国歌
 国歌は、国旗、紋章とともに憲法で定められています。国歌は「バヤモ賛歌」です。1867年カルロス・マヌエル・デ・セスベデスをはじめとしてスペインからの独立をめざす人々が集まり、解放闘争を準備する中でペドロ・フィゲレード・シスネーロスが、フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」を参考にして作曲・作詩したものです。
Al combate corred bayameses,
que la Patria os contempla orgullosa.
No temáis una muerte gloriosa,
que morir por la Patria ¡es vivir!
En cadenas, vivir es vivir,
en afrenta y oprobio sumido.
Del clarín escuchad el sonido,
¡a las armas valientes corred!

闘いに向かって
立ち上がれ、バヤモの人々よ
祖国は誇りをもって、君たちを見つめている。
栄えある死を恐れてはならない
祖国のために死ぬのは、生きることだ。
鎖のもとで生きるのは
屈辱と不名誉のもとで生きること
ラッパの音に耳を傾けよ。
勇敢に武器をもって立ち上がれ。
(新藤通弘訳)

キューバ国家の紋章
「帝王椰子(パルマ・レアル)の紋章」と定められています。1948年国旗をデザインしたミゲル・テウルベ・トロンが発案したものです。上方には自由を表す旭日、アリメカのフロリダとメキシコのユカタンの間に横たわる地理的・戦略的重要性を示す鍵(メキシコ湾の鍵)、下方左側には当時の3つの県、右側にはキューバの典型的な農村風景、小山、帝王椰子が描かれています。

国木
 国木は、帝王椰子です。キューバ独立の父といわれるホセ・マルティは、「私は、真摯な人間、椰子が繁げれる国に生まれた・・・」と詩に歌っています。キューバ人は、この帝王椰子をみるとキューバの女性と祖国を思い浮かべるといいます。

国鳥
キツツキに似た「トコロロ」と呼ばれる小鳥です。鳴き声が「ト・コロー」と聞こえるところからきています。気品があり、可愛いいうえに、体の色が、キューバ国旗の青(頭部・背中)と赤(腹部と尾の内側)、白(羽)色をしていることから国鳥といわれています。コロンブスが1492年10月にキューバに到着した時、木々がうっそうと生い茂り、草花が咲き乱れ、小鳥がさえずりまわっている光景を目にして、「人間の目が見た最も美しい島である」と航海日誌に書き残しています。

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