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2016年1月16日 (土)

論文案内「キューバ経済改革モデルの歴史的性格」

1月15日、キューバ共産党中央委員会第13回総会は、4月開催予定の第7回党大会で討議されるキューバ社会主義発展の経済・社会モデルの概念規定を討議し、承認したと報道されました。順次関連資料が公表されると報じられています。

キューバは、今、経済モデルの歴史的転換を図っています。それは、どのようなものでしょうか。筆者は、下記の論文で素描してみました。関心のある方はお読みください。

『アジ研ワールド・トレンド』2016年2月号掲載論文
キューバ経済改革モデルの歴史的性格
新藤通弘

●はじめに
 キューバ経済は、現在構造的な変容を遂げつつある。一九五九年一月フィデル・カストロが率いる七・二六運動などの広範な勢力は、バチスタ独裁政権に対する戦いに勝利した。勝利した革命は、民主的、民族的な社会を求めて、その後数年間大きな社会変革を行った。現在進められている経済改革は、一九五九年以来形成された経済制度を大きく変えるものであり、歴史的な変化といってもよいであろう。巷間では米国との五四年ぶりの国交回復とその影響を論じて、あたかも米国との国交回復が、キューバ経済に根本的な大きな変化をもたらすという見解もあるが、それは本質的な変化をもたらすものではない。もっと底流で、構造的な変革が二〇〇八年以来、経済改革として行われており、経済の各部門で変化をもたらしつつある。さらに二〇〇九年一二月以降は「キューバ経済モデルの刷新」と呼ばれ、キューバ経済を全面的に点検し、変革する活動が展開されている。
 現在の経済改革は、産業構造、生産様式、生産手段の所有、分配制度、経済の管理制度まで、全面的なものとなっている。以下に、現在の経済改革モデルは、これらの諸点をどのように変革し、どのような経済モデルをめざしているのか、みてみたい。

●一九八〇年代末のキューバ社会とその特徴
キューバは、一九五九年の革命勝利以後、米国と対峙するなかで大半の経済部門を国有化し、戦時総動員体制とも呼ぶべき体制を敷き、ほとんどの経済部門を国が握り、経済構造は市場的要素をほとんど否定した経済制度となった(表1)。そして一九六二年から米国による経済封鎖を受け(現在まで継続)、あらたにソ連圏との経済関係を緊密にした。その後、一九七〇年からカストロ政権は、経済制度の欠陥の調整を図りながら、市場要素を若干考慮した経済管理計画制度(SDPE、キユーバ経済全体を管理し、計画する制度)を一九七七年から導入し、医療、教育などの国民の福祉、社会正義、社会的・経済的平等主義に重点をおいた経済・社会政策を追求した。その結果、一九八〇年代のキューバ社会は、医療・教育、芸術・スポーツ、社会福祉の面で国民生活は著しく向上した。三〇%あった失業率も六%に減少した。平均寿命、乳児死亡率は先進国並みの数字となった。

続きは、上記拙稿をお読みください。

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