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2012年6月 3日 (日)

映画監督レステルの思い出

映画監督レステルの思い出

先月の5月、セルバンテス文化センターが東京で開催したキューバ映画名作上映会で、作品「カサ・ビエハ(古きわが家)」が上映される機会に訪日した、レステル・ハムレット監督は、すがすがしい印象を残して帰国しました。

レステル・ハムレット監督は、1971年ハバナに生まれた、映画、演劇監督です。1991年国立芸術教育大学演劇監督専攻を卒業しました。その後、キューバの映画・テレビ国際学校で学びました。また、現在、キューバ芸術大学(ISA)の視覚コミュニケーション学部で学んでいます。レステルは、キューバ全国作家・芸術家同盟(UNEAC)会員でもあります。レステルは、自らがゲイであることを公言していますし、名作上映会での質疑応答では、キューバ社会でゲイの問題が、公然と議論されるようになったと説明しました。監督は、キューバの若者の間に流行っている大きなタトゥーを右腕に入れていますが、その柄は、キューバ国旗です。

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作品としては、2004年に劇映画としての処女作、「二人の三度の愛」を制作し、モントリオール国際映画祭などの賞を受賞しました。その他、主要な作品としては、次のものがあります。
1991年 古い物語(演劇)
以後、演劇監督、ビデオ・クリップ作品多数
2004年 リラの物語(監督・脚本)
2006年 反抗期(編集)
2008年 彼、あなたがた、私達(監督・脚本)
2010年 カサ・ビエハ(長編劇映画、監督・脚本)
2011年 寓話(長編劇映画、監督・脚本)

受賞歴としては、2010年、第32回国際ラテンアメリカ新映画祭審査員賞、2010年、第32回国際ラテンアメリカ新映画祭大衆性最優秀賞など、かずかずの国内、国際賞を受賞しています。

キューバでは、2003からキューバ映画界の重鎮、「ルシア」、「成功した男」、「オチュンのための蜜」の監督、ウンベルト・ソラス監督(1941–2008)が、低制作費(低予算)で映画を制作する運動を提唱し、貧者の映画と題して、キューバの東部のオルギン県のヒバーラ市で、「ヒバーラ国際貧者映画祭」が開催されるようになりました。レスター・ハムレット監督は、本年の第10回ヒバーラ国際貧者映画祭の実行委員長を務めています。

作品の「カサ・ビエハ」は、キューバ社会の現実を見事に反映した思索的な佳作でしたが、映画には、キューバきっての大女優イサベル・サントスさんが、隣人フローラ役で出演しています。イサベルさんから、レステルの映画に出演したいとの申し出があり、レステルは、想像もしなかった大女優の出演、しかもわずか二つだけのシーンの出演に驚くと同時に心から感謝したとのことです。さすがにベテラン女優だけに、葬儀場での衣装の色は、彼女が指定し、見事に場面にマッチしたとレステルは語りました。

なお、レステルの好きな映画作品は、「フォレスト・ガンプ 一期一会」と「マジソン郡の橋」、好きな俳優は、「フェレスト・ガンプ」の主役のトム・ハンクス、日本映画では「七人の侍」と「羅生門」と言います。

監督は、お寿司が好きだということですので、お寿司を食べに誘いました。好物は、いくら、大トロ、かっぱ巻き。ハバナで寿司を作りたいとのことで、土産にはワサビとノリ、それに、巻きずし用すのこ(まきす)を買って帰りました。5月13日(日)には、はとバスで都内を案内しました。レステルは、浅草の浅草寺では、自ら線香を買って火をつけて、一心にお祈りしていました。特定の宗教の信者ではないが、宗教を信じています。
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レステルの一層の活躍を期待しています。

『しんぶん赤旗』に菅原啓さんの素晴らしいインタビュー記事が掲載されましたので、紹介します。添付のPDFをご覧ください。「12.05.29 Lester Hamlet entrevista.pdf」をダウンロード

(2012年6月3日 新藤通弘)

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