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2012年6月

2012年6月25日 (月)

半世紀のキューバ映画監督紹介

半世紀のキューバ映画監督紹介

最近、キューバ映画への関心がますます深まって来ています。5月のセルバンテス協会でのキューバ映画名作上映週間は、キューバ映画ファンを満喫させるものでした。そこで、キューバ映画の鑑賞にお役に立てるように、キューバ映画半世紀の歴史の監督を紹介します。世代の分類は筆者によるものです。

第一世代:
トマス・グティエレス・アレア 1928-1996。愛称ティトンTitón
1966年 ある官僚の死(Muerte de un burócrata)
1968年 低開発の記憶(Memorias del Subdesarrollo)アレアの最高作品。
1988年 公園からの手紙(Cartas del Parque)
1993年 苺とチョコレート(Fresa y Chocolate)
1995年 グアンタナメーラ(Guantanamera)

フリオ・ガルシア・エスピノーサ 1926-
1955 El Mégano, エル・メガノ
1967 Aventuras de Juan Quin Quín, フアン・キン・キンの冒険
1994 Reina y Rey, レイナとレイ

アルフレド・ゲバラ 1931-、シナリオ・ライター
現在、新ラテンアメリカ映画国際フェスティバル委員長。

サンティアゴ・アルバレス 1919-98 記録映画作家。
Now, Hanoi, martes 13, LBJ


第二世代
パストル・ベガ・トルレス 1940-2005
1972 共和国万歳 ¡Viva la República! (LM. Doc.) 1972
1979 テレサの肖像 Retrato de Teresa (LM. Ficc.) 1979

ウンベルト・ソラス 1941-2008
1968 「ルシア」Lucía ( ficción) (160')」モスクワ映画祭金賞受賞
1986 「成功した男」Un hombre de éxito (ficción) (116´)
1991「光の世紀」El siglo de las luces (ficción) (120´)
2001「オチュンのための蜜」Miel para Oshún (ficción) (115´)
2005 「バリオ・クーバ」Barrio Cuba (ficción)

エンリケ・コリーナ・アルバレス(Enrique Colina Álvarez) 1941-
2003 ふたつのハリケーンの合間に Entre ciclones 2003

フアン・カルロス・タビオ 1943-
1983年 交換
1988年 プラフ
1992年 苺とチョコレート
1995年 グアンタナメラ
2000年 空席待ち
2008年 豊饒の角El Cuerno de Abundancia

フェルナンド・ペレス 1944-
1988「地下活動」、
1990 Hello Hemingway(ハロー・ヘミングゥエイ)
1994 マダガスカル
1999 La vida es silbar(楽しきかな人生)
2003 ハバナ組曲 Suite Habana
2010 ホセ・マルティ:カナリアの眼 Marti, El ojo del canario

ダニエル・ディアス・トーレス 1948-
1990 Alicia en el pueblo de Maravillas.(マラビージャス村のアリシア)
1997 Kleines Tropicana.(熱帯のクレイネ)
2000 Hacerse el sueco.(スエーデン人のふりをして)
2009 Lisanka (Ficc.) 2009

ヘラルド・チホーナ 1949-
1999 星空の下の天国"Un paraíso bajo las estrellas":
2004 まちがった完璧な愛 Perfecto Amor Equivocado (2004)


第三世代
ホルヘ・ルイス・サンチェス (Jorge Luis Sánchez) 1960-
1999年、ドキュメンタリー「オリシャ崇拝」を監督。
2006年、ベニ物語

フアン・カルロス・クレマータ・マルベルティ 1961-
2001「なんでもない」Nada. 最初の長編劇映画。 (LM. Ficc.).
2009 安物の賞El premio flaco (Ficc. 104’) 2009
2010 チャマコChamaco (Ficc. 92’) 2010

エルネスト・ダラーナス・セラーノErnesto Daranas Serrano 1961-
2009 壊れた神々 Los dioses rotos (Largometraje de Ficción)

アルトゥーロ・ソット 1967-
1997「エレベーターの愛」(Amor Vertical. 1997)

第四世代
レスター・ハムレット 1971年ハバナに生まれる。
2004 二人の三度の愛 Tres veces dos
2010 カサ・ビエハ

パーベル・ヒロウドPavel Giroud
2006 反抗期 La Edad de la Peseta, 2006

イアン・パドロン(Ian Padrón) 1976-
2008年「リーグの外で」Fuera de Liga
2011 ハバナステーション(Habanastation)

(2012年6月25日 岡知和)

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2012年6月16日 (土)

カリブの小国の果敢な決断

カリブの小国の果敢な決断
カリブ海の南東部にセント・ルシアという国があります。面積は616平方キロ、淡路島と同じくらいの大きさで、人口は、わずか17万4000人の熱帯の小さな島嶼国です。この小国セント・ルシアが、今年の2月カラカスで開催された第11回米州諸国民ボリーバル同盟(ALBA)首脳会議で、スリナム、ハイチとともにALBAに加盟申請したことが報じられました。ALBAを、米国は、キューバ、ベネズエラ、ボリビアなどの左翼政権が進める経済同盟と見ており、そこに加盟することは、米国との間にかなりの軋轢が生まれることになります。そこで、キューバのハバナにあるセント・ルシア大使館を訪ね、大使のジョビタ・サン・マルシェ博士に話しを聞きました。

続きは、添付のPDFをお読みください。
「12.06.16 セント・ルシア大使会見記.pdf」をダウンロード

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2012年6月 9日 (土)

世界のラム酒メーカー、バカルディVSハバナ・クラブの熾烈な戦い

世界のラム酒メーカー、バカルディVSハバナ・クラブの熾烈な戦い

最近、ある飲料メーカーが、バカルディ社の缶入りカクテル「キューバ・リブレ」、「モヒート」をテレビのコマーシャルなどを利用して大々的に宣伝し、バカルディ社、あるいはラム酒への関心が高まっています。素朴なキューバ・ファンの方々は、この「キューバ・リブレ」(正しくはクーバ・リブレCuba Libre)には、キューバのラム酒が使われているから、バカルディのこのカクテルを飲もうと盛り上がったり、中には、さすがに、このキューバのラムの「キューバ・リブレ」、「モヒート」はおいしいと自画自賛の賛美を送っている人びともいます。

お酒の味は、好みですから、バカルディのラム、あるいはこれらのバカルディのカクテルがおいしいと思う人もいるでしょうし、それらは尊重されるべきでしょう。

続きは、添付のPDFをお読みください。
「12.06.11 クーバリブレとバカルディ.pdf」をダウンロード

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2012年6月 3日 (日)

映画監督レステルの思い出

映画監督レステルの思い出

先月の5月、セルバンテス文化センターが東京で開催したキューバ映画名作上映会で、作品「カサ・ビエハ(古きわが家)」が上映される機会に訪日した、レステル・ハムレット監督は、すがすがしい印象を残して帰国しました。

レステル・ハムレット監督は、1971年ハバナに生まれた、映画、演劇監督です。1991年国立芸術教育大学演劇監督専攻を卒業しました。その後、キューバの映画・テレビ国際学校で学びました。また、現在、キューバ芸術大学(ISA)の視覚コミュニケーション学部で学んでいます。レステルは、キューバ全国作家・芸術家同盟(UNEAC)会員でもあります。レステルは、自らがゲイであることを公言していますし、名作上映会での質疑応答では、キューバ社会でゲイの問題が、公然と議論されるようになったと説明しました。監督は、キューバの若者の間に流行っている大きなタトゥーを右腕に入れていますが、その柄は、キューバ国旗です。

Photo


作品としては、2004年に劇映画としての処女作、「二人の三度の愛」を制作し、モントリオール国際映画祭などの賞を受賞しました。その他、主要な作品としては、次のものがあります。
1991年 古い物語(演劇)
以後、演劇監督、ビデオ・クリップ作品多数
2004年 リラの物語(監督・脚本)
2006年 反抗期(編集)
2008年 彼、あなたがた、私達(監督・脚本)
2010年 カサ・ビエハ(長編劇映画、監督・脚本)
2011年 寓話(長編劇映画、監督・脚本)

受賞歴としては、2010年、第32回国際ラテンアメリカ新映画祭審査員賞、2010年、第32回国際ラテンアメリカ新映画祭大衆性最優秀賞など、かずかずの国内、国際賞を受賞しています。

キューバでは、2003からキューバ映画界の重鎮、「ルシア」、「成功した男」、「オチュンのための蜜」の監督、ウンベルト・ソラス監督(1941–2008)が、低制作費(低予算)で映画を制作する運動を提唱し、貧者の映画と題して、キューバの東部のオルギン県のヒバーラ市で、「ヒバーラ国際貧者映画祭」が開催されるようになりました。レスター・ハムレット監督は、本年の第10回ヒバーラ国際貧者映画祭の実行委員長を務めています。

作品の「カサ・ビエハ」は、キューバ社会の現実を見事に反映した思索的な佳作でしたが、映画には、キューバきっての大女優イサベル・サントスさんが、隣人フローラ役で出演しています。イサベルさんから、レステルの映画に出演したいとの申し出があり、レステルは、想像もしなかった大女優の出演、しかもわずか二つだけのシーンの出演に驚くと同時に心から感謝したとのことです。さすがにベテラン女優だけに、葬儀場での衣装の色は、彼女が指定し、見事に場面にマッチしたとレステルは語りました。

なお、レステルの好きな映画作品は、「フォレスト・ガンプ 一期一会」と「マジソン郡の橋」、好きな俳優は、「フェレスト・ガンプ」の主役のトム・ハンクス、日本映画では「七人の侍」と「羅生門」と言います。

監督は、お寿司が好きだということですので、お寿司を食べに誘いました。好物は、いくら、大トロ、かっぱ巻き。ハバナで寿司を作りたいとのことで、土産にはワサビとノリ、それに、巻きずし用すのこ(まきす)を買って帰りました。5月13日(日)には、はとバスで都内を案内しました。レステルは、浅草の浅草寺では、自ら線香を買って火をつけて、一心にお祈りしていました。特定の宗教の信者ではないが、宗教を信じています。
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レステルの一層の活躍を期待しています。

『しんぶん赤旗』に菅原啓さんの素晴らしいインタビュー記事が掲載されましたので、紹介します。添付のPDFをご覧ください。「12.05.29 Lester Hamlet entrevista.pdf」をダウンロード

(2012年6月3日 新藤通弘)

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