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2011年1月 2日 (日)

ラウル・カストロ議長の第7期第6回国会閉会演説

ラウル・カストロ議長の第7期第6回国会閉会演説

ラウルがいうように「経済改革列車は、ついに発車した」。ぎりぎりの時点で、といっても良いかもしれない。その改革のスタイルには、理想主義に陥らず、実践的に問題と取り組み、指導においては信賞必罰というラウル色が色濃く出ている。ラウルの12月の国会において、ラウルの考えがはっきりと見られるところを紹介しよう。

 来年は通常貿易の支払いの遅れを完全に解消する。また、累積債務のリスケも前進した。合意したリスケは期日通り支払うことを再確認する。
 2011年は、新たな中期計画、5カ年計画の最初の年で、構造的な変革とキューバ経済モデルの概念の変革を導入する。
 計画と予算面では、未達成や、赤字を記録するという歴史を繰り返してはならない。計画や予算は、神聖なものである。できなかった場合、言い訳や不正確な報告、意識的であれ、無意識的であれ、ウソをついてはならない。
 幹部は、部下からの不正確は報告を検証せずに、無意識にウソに陥ってはならない。そうした幹部は、だれであれ、その職責を一時的でなく決定的に失うことになるであろう。聖書の十戒が8番目、9番目でいうように「盗んではならない」、「隣人に関して偽証してはならない」。あるいは、インカ文明でいわれているように、「ウソをつくな、盗むな、怠ける」という言葉を思い出そう。
 率直で真摯な議論を異なった意見も含めて民主的に行い、経済が機能して、キューバで社会主義が維持され、後戻りしないように、戦略的な変革を緊急に導入する必要がある。
 場所と時と方法において、適切に表明された反対意見は、見せかけの、日和見主義に基づいた偽りの満場一致よりもはるかに望ましい。いろいろな意見があればあるほど問題を分析でき、より適切な解決策に近づくことができるものである。
 近年述べてきたように、思いつきや、焦りでこうした大きな、複雑な、相互が絡み合った問題に取り組んではならない。
 教条主義や非現実的な理念に拘泥する議論は、大きな心理的は障害となるので、それらを次第に克服する必要がある。
 党は、指導し、管理するが、いかなる上部の水準からも、あるいは指示する人がだれであっても、政府の活動に干渉してはならない。
 多くのキューバ人は、社会主義を、無料制度、補助金制度、表面的平等主義、配給制度と混同している。
 かつてベトナム戦争の最中、ベトナムに、キューバはコーヒーの栽培方法を教えた。今ベトナムは、世界で第二位のコーヒーの輸出国となっている。あるベトナム政府の高官がキューバ人に言った。われわれに栽培を教えたキューバが、どうしてベトナムからコーヒーを輸入するのか。そのキューバ人は、きっと「アメリカの経済封鎖があるからだ」と答えたであろう。
 マルクス・レーニン主義の古典からいっても、これまでの別の国々の社会主義建設の実践的経験からいっても、経済面での新しい社会の建設は、未知の行程である。
 計画と非自由市場、生産手段の所有の集中を許さない経済が、キューバ経済の特徴であり、過去のようには悪例を模倣せず、資本主義の積極的な経験も含めて他国の経験を参考にしつつ、キューバ固有の条件に従って社会主義を建設しなければならない。
 マルクス・レーニン主義の古典、とりわけレーニンは、新しい社会の建設の特徴として、全国民を代表して、基本的な生産手段の所有を維持すると規定した。われわれは、この原則を極限化し、ほとんどすべての経済活動を国家所有とした。
 農業において様々な生産形態を推進し、農業生産力の増大に対するいろいろな障害を除去し、食料の輸入用の外貨を節約するために農業生産者がその犠牲的な労働に対して正当で合理的な収入を得るようにしなければならない。
 経済の効率の向上、資源の節約、重要でない経費の削減、輸出の増大、国民の間の経済意識の涵養が必要である。今やわれわれはすべてエコノミストでなければならない。
 もし、われわれが革命を救いたいなら、われわれが、ここで同意したことを履行しなければならない。大会のあと、これまでの多くの場合のように、文書が引き出しの中にしまわれ眠ってしまうようなことがあってはならない。誤りを矯正して、危機の淵から脱出するか、あるいは沈没するかである。
 われわれが分析した問題、批判した誤りは再びおこしてはならない。革命の生命をもて遊んではならない。
 各自の弱点を隠すための秘密主義は、良くない。誤りは、真摯に分析されるならば、それを克服し再び起こさない経験と教訓になる。
 人間は、同じ障害に二度ぶつかる唯一の動物であるといわれるが、キューバでは二度以上ぶつかる。ドミニカ人のマキシモ・ゴメスがいったように、「キューバ人は行きつかないとすれば、通り越してしまう」のだ。
 ホルヘ・ルイス・シエラ・クルス運輸相、閣僚評議会副議長、ヤディーラ・ガルシア・ベラ基幹産業相、ペドロ・サエス・モンテホハバナ市党委員会第一書記は、政府、党の重要な地位を占めていたが、党政治局は、閣僚、中央委員会、国会の地位を解任した。三人とも誤りを認め、正しい行動を取ったので党籍は維持され、それぞれにふさわしい職場に配置された。これが、党と政府の幹部政策であることを知ってほしい。
 革命の元勲世代の寿命は残り少ないので、革命の方向性を示しておきたい。
 50年にわたる社会主義の建設の中でわれわれが犯した誤りは、われわれが直さなければならない。

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