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2010年9月 5日 (日)

キューバ経済の発展段階の史的素描―

『アジ研ワールド・トレンドNo.168 (2009.9)』に掲載された論文、新藤通弘「キューバ経済の現状と課題 ―キューバ経済の発展段階の史的素描―」を転載します。

キューバを説明すれば、フィデルが政府首班であると同時に、反対派のリーダーでもあるということだ―ガブリエル・ガルシア・マルケス

はじめに
キューバの政治的アクターを見事に表現しているこのガルシア・マルケスの言葉は、音楽のソナタ形式の主題のように、50年のキューバ革命史の中で繰り返し現れてくる。一度目は、1970年に砂糖1000トンの目標が未達成となったとき、二度目は、1980年代半ば、キューバ社会での誤りと否定的傾向とたたかう議論をすすめたとき、三度目は、2005年不正、汚職、勤務規律の弛緩を追及しとたき、そして、今年度三月、若手幹部に対し革命とフィデル・ラウルへの忠誠心の欠如を批判したときに現れた。

また、経済困難に見舞われ、社会に不満が鬱積すると大量出国事件が起こり、米国の対キューバ敵視政策が強化され、キューバの国内の改革が抑制される、という主題も繰り返し現れてくる。このことは、60年代初頭、80年、94年の大量出国事件で見られた。この二つの主題が絡み合いながら、革命の50年が展開されたとみることもできる。

現在、キューバ経済は、困難を極めている。本年の経済成長の見通しは、昨年末国会で承認された6.5%から、5月には2.5%に大幅に下方修正されたが、7月の共産党中央委員会総会ではさらに1.7%に修正された。しかし、キューバ人エコノミストたちはそれも危ぶんで1%を切るのではないかと憂慮している。
いったい、キューバは、歴史的にどういう経済建設を歩んできたのであろうか。筆者は、キューバ革命の歴史は、1959―1960年、1961―1969年、1970―1979年、1980―1989年、1990一1999年、2000―2007年、2008―現在までの七時期に区分できるのではないかと考えている。この時期区分に従いながら、革命50年の経済建設を歴史的にたどることによって、現在のキューバ経済の座標軸を定め、今後の経済の発展の道を展望することにしたい。
(続きは別添PDFをご参照ください)
「09.09.01 キューバ経済の現状.pdf」をダウンロード

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