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2010年8月26日 (木)

ビルダーバーグ・グループと小型核爆弾

ビルダーバーグ・グループと小型核爆弾
フィデルが、今度は、ダニエル・エスチューリンの「ビルダーバーグ・グループ」論に取りつかれている。8月17日、18日と省察『世界政府Ⅰ、Ⅱ』を書いて、エスチューリンの著書『ビルダーバーグ・クラブの真の歴史』を「歴史の再検討のために素晴らしい叙述」と称賛し、A4で各14ページ、タブロイド版のグランマ紙8ページのうち、2日とも3ページを占めて、本の内容を詳細に紹介した。ちなみに国内ニュース欄、国際ニュース欄、文化欄、スポーツ欄はそれぞれ1ページである。

さらに、フィデルは、8月23日のテレビ番組『メサ・レドンダ』で、「エスチューリンと話しをすると、われわれが説得力とよんでいるものを増強するのに役立つかもしれないので」、キューバに彼を招待したことを明らかにした。もっとも、この招待は、24日には省察『近著の重要な章』で、エスチューリンがフィデルに会いたいと要請してきたものであると述べられている。

その後、エスチューリンの刊行予定の本の主要な章がフィデルに彼から送付され、それを読んだフィデルは、24日、省察『近著の重要な章』で、「その内容は、劇的で、重要部分を検討するに値する」と評価して、A4、10ページにわたり詳細に紹介した。

このビルダーバーグ・クラブとは、1954年に創設された、欧米の皇室関係者、政治家、大企業経営者130名程度が参加する秘密組織で、毎年非公開で会議を開催し、国際問題について意見を交換している組織である。しかし、エスチューリンは、この組織は、世界制覇をめざし、実際に国際政治を動かしている「影の世界政府」であると主張している。この秘密組織についての評価は、政治的な立場を異にする左右で評価が分かれているだけでなく、一般にもほとんどは報道されず、知られていない。国連総会、国連安保理、G-8、G-20、WTO、EU、ASEAN、UNASURなどよりも、実際に現実政治を動かしている「世界政府」であるかどうかには多くの人が異論を唱えるであろう。

さらに、エスチューリンは、『近著の重要な章』において、「1995年のオクラホマ・シティー連邦政府ビル爆破事件、2001年の9・11世界貿易センタービル爆破事件、2002年のバリ島爆破事件、2007年のスペインのバラハス空港爆破事件などは、この『影の政府』が関与した小型核爆弾による爆破事件である」と決めつけている。しかし、一般には、これらの爆弾が核爆弾であったという科学的な証明を欠いていることから、これらの事件は核兵器の使用という重大な問題とは見なされていない。二つの省察とも、エスチューリンの所説に対するフィデルの批判はまったく述べられていない。フィデルは、こうした特異な主張にどこまで賛同しているのであろうか。
(2010年8月26日 新藤通弘)

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