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2010年8月12日 (木)

キューバ野球、自国のユニフォームへの誇り、母国・故郷の人びとのために頑張る

あるジャーナリストに、キューバ野球について心温まる話を寄せていただいた。これもキューバ社会の一環である。

自国のユニフォームへの誇り、母国・故郷の人びとのために頑張るキューバ野球

 8月7日、大学野球の世界大会決勝戦で、キューバ代表が米国代表を延長戦の末、4対3でくだし、堂々と優勝した。米国には将来大リーグ・ヤンキースのドラフト一位指名されそうな投手までいたが、四つに組んで戦い、圧倒的な打撃力で勝った。言い古されたことだが、「人口たった1100万人のスポーツ大国」には、改めて驚かされた。

 経済的に苦しいなかで、これだけのレベルを維持している「秘密」は何か。

 米国では、大リーグに行けば年俸何百万ドル。優秀な大学生選手はさぞや厚遇されていることだろう。

 私は、神宮球場に通い詰めて、キューバの選手団長、選手たちに接する機会があった。球場横で、日本人ファンにサインを求められるとサクまで歩み寄ってきて、どんどん書く。人なつこい笑顔。各国選手団で一番あいきょうを振りまいて、フレンドリーだったのが彼らだった。

 野球が骨の髄まで好きで、しかし、日本のスポ根モノ(それはそれでいいところはあるのだと思うが・・・)のような悲壮感はなく、底抜けに明るい。ありとあらゆるベクトルが前向きなのである。

 キューバに帰ったら、もしかしたらスパルタ式の鍛錬が待っているのかもしれないが、「秘密」はやはり彼らの人間性のすばらしさ、そして彼らのコミュニティーの持つ生命力ではないかと思う。彼らの家族思い、コミュニティーの団結力の強靱さは有名だ。

 やっぱりスポーツは札束だけではない。自国のユニフォームへの誇り、母国・故郷の人びとのために頑張るといったことが大きいのだ。

 小耳にはさんだ話だが、彼らがハバナ空港を出発するとき、押し寄せてきた一族郎党と、一時の別れを惜しんで抱擁するのに忙しく、飛行機に乗り遅れそうになった選手が複数いたそうだ。

 米国との決勝戦、どういうわけか、キューバでは急きょナマ中継されたときく。早朝の時間帯だったが、きっと驚異的な視聴率だったに違いない。

 7月31日の予選リーグで、野球強国・韓国には18-0(5回コールド)で圧勝。

 決勝トーナメントの初戦では、野球の発展途上国・スリランカと対戦。7回コールドで14-0。

 スリランカ打線は手も足も出ず、完全試合(参考記録)。しかし、特筆すべきは、キューバ打線が1本も本塁打を打たなかったことだ。発展途上のスリランカの学生たちがケガをしないように、フルスイングをしなかったのではと推察する次第。

 こんな人間味あふれる彼らの参加するスポーツ大会や試合が、これからもたびたび日本であればいいのに、と願っている。(匿名希望)

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