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2010年1月16日 (土)

キューバ映画ベスト・テン

キューバ映画は、世界でも高く評価されています。このたび、キューバ映画50年の中で、ベスト・テンがキューバの映画関係者によって選定されました。あなたは、この中のどれを見ていますか?以下、ベスト・テンを紹介しましょう。また、各作品も随時紹介しましょう。

キューバ映画ベスト・テン
キューバ映画産業の半世紀を記念して
ヤネリス・アブレウ (訳 前田恵理子)

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アンケートの質問は、作品、脚本、編集、撮影、美術、音楽、録音、ポスターの各部門におけるベストである映画のタイトルだけにとどめず、これらの各部門で高く評価されたものも含んでいる。またアンケートには、キューバ映画(1959―2008年)の最高の名シーンと忘れられないセリフも求められた。

キューバ映画史で最も傑出した作品を選出するために、キューバ映画報道協会によって実施されたアンケートで、ベスト・テンにノミネートされた作品は、第31回ハバナ新ラテンアメリカ映画国際フェスティバルで特別上映された。

トマス・グティエレス・アレア監督のイベロアメリカ映画の古典、「低開発の記憶」(1968)がランキングの最上位であった。エドムンド・デスノエスの同名タイトルの小説の映画化で、デスノエスとグティエレス・アレアの協同脚本も脚本部門でもトップとなった。撮影はラモン・F・スアレス、編集はネルソン・ロドリゲス、美術はフリオ・マティージャ、音楽はレオ・ブロウエル、録音はエウへニオ・ベサ、カルロス・フェルナンデス、ヘルミナル・エルナンデス、最優秀に選ばれたポスターはスペイン人デザイナーのアントニオ・サウラである。

グティエレス・アレア(1928-1996)の主要作品から、さらに3作品がノミネートされている。フアン・カルロス・タビオとの共同監督、「苺とチョコレート」(1993)が第3位、喜劇映画、「ある官僚の死」(1966)が第6位、そして彼の名作「最後の晩餐」(1976)がベスト10の最後を飾っている。

ウンベルト・ソラス(1941-2008)の初作品の長編劇映画「ルシア」(1968)が第2位。第4位にはフェルナンド・ペレスによる中編映画「マダガスカル」(1993)。オルランド・ロハスの第2作目の長編映画で、80年代の最も重要な作品のひとつ、「脇役たち」(1989)が第5位となっている。

マヌエル・オクタビオ・ゴメス(1934-1988)の「マチェテの最初の一撃」(1969)は、新しい世代の観客や研究者によって再評価されるに値する。33票を獲得し、第7位となった。スペイン植民地からの独立戦争のただ中に設定されてはいるが、現代ドキュメンタリーの視点から制作されている稀有の作品である。カメラマンのホルへ・エレラのハンド・カメラによる激しいカメラワークが、公式の受賞はなかったものの、この年にベネチア国際映画祭でキューバを代表する映画として衝撃を与えた。

パストル・ベガ(1940-2005)の作品「テレサの肖像」(1978)が32票で第8位である。制作から40年たった現在も、映画はベガがマチスモの社会的問題を表現した能力と勇気で、その新鮮さを損なうことなく保っている。

その10年後の作品、エンリケ・ピネダ・バルネの素晴らしい録音の「アルハンブラ劇場の美女」(1989)が第9位と続いている。この作品は、男性だけが出演している劇場で一人の若い娘がスターダムにのしあがることを描いて、キューバ史の混乱した時代(1920-1935)の人物群像を描いたものである。

アンケートの結果は、73人の批評家、新聞記者、映画人、歴史家、研究家から送られた投票の集計の後、今年の3月にキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)創立50周年の機会に発表されたものである。

今回12月に再度発表したのは、50年前に革命政府によって文化分野での最初の法律が制定され、ICAICが発足し、「映画は芸術」であることが確立されたことを祝福して上映されたものである。

祝賀行事のプログラムには、また「革命の日々:ICAIC、ラテンアメリカ・ニュース」という別タイトルも含まれている。60年代のニュースを集めたものであり、サンチアゴ・アルバレスの職人芸とその撮影チームを思い出させるカメラに記録された証言である。「ICAIC、50年の歴史」は、もう一つの記念上映だが、アルフレッド・ゲバラによって設立されたICAICの50周年に捧げられた最近のドキュメンタリーも上映された。カタログには以下の作品が掲載されている。「50年の中で」(ホルへ・ルイス・サンチェス・ゴンサレス、ウィルベルト・ノゲル・モラレス、ハビエル・カストロ・リベラ、アドリアン・R・アルティル・モンタルボ)、「異端は決して簡単ではない」(ホルへ・ルイス・サンチェス)、「50の夢」(ミゲル・フェルナンデス・マルチネス)、「白黒の物語」(グロリア・アルグエジェス)。 

2009年12月15日記 09.12.15 Cuba Nowより

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