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2009年10月 4日 (日)

小話 ボート競技

キューバ人も、ラテンアメリカの他の国々の人々と同じように、大変ユーモアが好きです。とくに逆境に陥っても、小話を言って切り抜けたりします。あるいは自分達の間違っているところも、小話で笑い飛ばしてしまいます。精神的にたくましい人たちなのです。以下は、私のキューバ人の友人が送ってきた小話です。キューバ社会の画一性、企業の硬直性などが、みごとにあらわされていますね。今後も折に触れて、キューバの小話を紹介しましょう。

ボート競技

キューバ企業と日本企業が、各8名で競漕(ボート)を行うことになった。

両チームは、厳しいトレーニングを重ね、絶好のコンディションで臨んだ。
しかし、なんと日本チームが、1キロメートルの差をつけて勝利したのだ。

敗北して、キューバ・チームは、意気消沈してしまった。
総監督は、翌年の勝利を決意し、問題分析作業チームを設けた。

いろいろ検討してみると、作業チームは、日本チームが7人の漕手と1人の舵手で臨んでいたことがわかった。
一方、キューバ・チームは、7人の舵手と1人の漕手ではないか!

そこで、総監督は、チーム構成を研究する会社と契約するという素晴らしい考えを編み出した。

数か月かけて検討した結果、専門家たちは、キューバ・チームには漕手よりも舵手が多くいすぎるとの結論に達した。

専門家たちの報告に基づき、キューバ企業は、チーム構成を変えることを決定した。

チームは、今度は、舵手4人とスーパーバイザー2人、スーパーバイザー長、そして1人の漕手に編成された。

漕手の選出には、特別の注意が払われることとなった。漕手は、最も能力があり、最もやる気を持ち、責任を強く自覚していなければならないと考えられた。
しかし、翌年は、なんと日本チームが、2キロメートルの差で勝利したのだ。

キューバ企業の指導者部は、任務を十分果たさなかったとして漕手を解雇した。
そして、その他のチームのメンバーには、チーム内での多大なモチベーションを鼓舞したとして賞を与えた。

総監督は、事情報告書を提出した。そこには、こう書かれていた:
―作戦は良かった。
―やる気も十分あった。
―しかし、機材を改善すべきである。

その結果、現在、指導部は、ボートの買い替えを考えているところである・・・

(訳 前田恵理子)

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