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2009年2月 2日 (月)

「非アメリカ」とはどういう意味?

「非アメリカ」とはどういう意味?

『悪魔の辞典』(西川正身編訳、岩波文庫)という傑作な本がある(原本は1906年刊)。著者は、アメリカ人のビアス(1848-1913)である。彼は、変わった人物で、晩年メキシコ革命に共感。メキシコに行き、パンチョ・ビージャ派と行動を共にし、消息不明となった。その物語をメキシコの著名な作家、カルロス・フエンテスは、「おいぼれグリンゴ(Gringo Viejo)」(安藤哲行訳、集英社、邦訳名は『私の愛したグリンゴ』)と題して小説にしている。映画にもなり、グレゴリー・ペックが主役を演じた。

その『悪魔の辞典』に、「非アメリカの(un-American adj.)」という項目がある。そこにはこう説明してある。
 「=邪悪な、許しがたい、異端の」

それから100年経った2006年、チョムスキー教授は、「アメリカの真の敵は、独立を求めるナショナリズムであることは、少し調べればすぐわかることである」と述べた。米国によるアジェンデ人民連合政権転覆活動も、キューバのカストロ政権転覆活動も、経済封鎖も、ソ連の脅威からではなく、アメリカの政策に対する反抗がその原因であると的確に指摘している。

米国のラテンアメリカ史研究の泰斗、ラーズ・シュホルツ教授によれば、「米国は、ずっとラテンアメリカ諸国の人々が劣った存在であるとみなしてきたことが、最大の間違いである」と述べている。

オバマ新政権との対話に、キューバは経済封鎖の解除とか、5人のキューバ人政治囚の釈放など、前提条件を付けていない。対等、平等、相互尊重、互恵というだれしも否定できない原則を主張しているだけである。一方、オバマ政権は、キューバ国内の民主化という条件を付けている。それは、上記の賢人の指摘したことが、今でも米国では変わっていないことを示しているであろう。

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