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2009年2月 4日 (水)

キューバ人の国民性

キューバ人の国民性

キューバ人(正式にはクバーノ)の国民性は、一般的に言えば、ラテンアメリカ国民一般の国民性に似通ったところが多い。いうまでもなく、4世紀にわたるスペインの植民地であったことから、またスペインからの移民が圧倒的に多かったことから、スペインの文化、習慣がキューバに根付いたのはいうまでもない。

しかし、16世紀初頭よりアフリカから黒人が奴隷としてキューバ(クーバ)に強制的に連行されて、キューバには黒人の文化・習慣も移入された(1880年まで合計約100万人)。いわゆるアフロ・クバーナ文化が形成された。1880年奴隷制度が廃止されたときの黒人の人口は、全人口の3分の1程度であった(16万人余)。原住民のインディオは、1492年クリストバル・コロン(コロンブス)がキューバに到達したとき、20万人以上いたと推測されるが、スペイン人の強制労働やスペイン人がもたらした疫病などで16世紀末にはほぼ全滅した。したがってキューバは、アメリカ大陸のメキシコ、グアテマラ、ペルー、ボリビアなどのようにはインディヘナ(インディオ原住民)の影響を強く受けていない。わずかに、生活用品の名前、料理とか地名にうかがわれるだけである。

こうしたキューバ人の国民性については、古くから外国人の旅行者によって次のように語られている。18世紀半ばにキューバを旅行したアメリカ人のワードマンは、キューバ人特有のもてなしの良さに強い印象を受けている。
「キューバ人は、アイルランドの農民と同じように、追従を好み、人を騙したあとで笑い、できないことを平気で約束し、際限のないもてなしを行う。しかし倹約家である。一般に倫理は弱く、賭博が好きで、迷信と結びついた不貞が多くある」。

一般にキューバ人の性格としては、「創造性があり、いかなる環境にも適応する仕事への適応力がある」、「仲間の助け合い意識の強い国民」、「陽気で、冗談好きで、反抗的であるうえに、頭の回転が速い国民」(フィデル・カストロ)、「情熱的で、創造性に富み、物事に別な側面を見る能力があると同時に、否定的な面として、品がなく、マチスモであり、直情的で、攻撃的である」(Juventud Rebelde, 9 de Marzo de 1997)などがあげられている。

19世紀末のキューバ独立戦争で活躍したドミニカ生まれのマキシモ・ゴメス将軍は、キューバ人の性質には、「届かないか、行きすぎてしまう」ところがあると述べている。筆者は、これに、キューバ人は、どんな逆境にあっても、ユーモアを失わず、冗談(チステ)を言って困難に打ちひしがれないという長所をあげたい。

キューバ人の愛に対する考え方には興味深いものがある。それについて、キューバ独立運動の父と言われているホセ・マルティは、1882年、妹のアメリア宛ての手紙で次のように述べている。キューバでは良く知られている手紙だ。

 「わが国には、決して壊れることのない結婚をもたらす、決定的で変えがたい慈愛と情愛の感情を混同する破滅的な習慣がある。わが国では、愛情関係が、そこで終わることになるところで始まる。しっかりした気持ちと知性をもった女性は、愛ではないが、愛と似ている情交の生き生きとした喜びと、-その感情は、男性を表面的に立派であるとみる感情であるが-、他の者に対する言いがたい精神の傾注であるような決定的で偉大な別な愛を区別しなければならない」。

さて、アメリアはこの手紙をどう受け取ったであろうか。筆者は寡聞にして知らない。

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