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2009年1月 6日 (火)

端緒に着いたキューバの構造改革

端緒に着いたキューバの構造改革

『アジア・アフリカ研究』2008年第48巻第1号(通巻387号)所収
新藤通弘 Michihiro Sindo
Recently Started Structural Reform in Cuba

目次
I はじめに
II キューバ社会の歪んだ実態を指摘した発言
《補論》キューバの食料自給率
III 『グランマ』紙の読者投稿欄における議論
IV オマール・エベルレニ・ペレス、キューバ経済研究所副所長の指摘
《補論》二重通貨の問題
V 実施されている諸改革
VI 改革をめぐる様々な意見
VII 改革が進む中、緊張する米玖関係
VIII 今後の展望

I. はじめに
 現在、キューバで、静かに、しかし広範に政治・経済改革の論議が行われ、改革が進められている。その方法は、これまでと違って、予め何を行うかは発表せず、改革の肯定的な結果がでれば改革を発表するという方法で行われている。そして、改革を行うべき対象は、「改革されるべきことはすべて改革する」といわれている。キューバ社会の全面的な構造改革である。

また、改革は、社会主義の建設を進めるための改革とし位置づけられ、「社会主義を建設するためには戦術的、戦略的な大いなる多様性が必要とされているので、理論と実践の関係を厳格に考慮して、改革を行いつつ学び、学び総括しつつ改革を行うことが必要である」と強調されている。

キューバ経済は、近年の経済成長を見る限り2004年度より高度成長の軌道に入り、順調な発展を遂げているかのように見える(表1)。しかし、国民生活の実態は厳しく、各分野での不満が蓄積されている。パーベル・デル・ビダルの綿密な研究によると、近年の月額実質賃金は、国民が物資の品質はともかく、またサービスの不便はともかく、貯蓄もでき、平穏な日常生活を送ることができた80年代末の188ペソから、40ペソ程度に、つまり4分の1程度に下落しており(表2)、生活は大変、困難となっている。一般に平均的な市民の場合、一月の賃金は生活費の4分の1程度しかカバーできないからである(表3)。
 
詳細は、下記論文を参照こう。

「08.07.20 端緒についたキューバの構造改革.pdf」をダウンロード

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