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2009年1月 4日 (日)

米国の対キューバ経済封鎖資料(1)

米国の対キューバ経済封鎖資料 (1)

米国は、1962年からキューバに対して全面的禁輸措置を取っています。これは、よく「経済制裁」ともいわれていますが、「制裁」とは米国の政策が正当であるかの誤解を与えます。キューバは、米国の企図がキューバ革命を全面的禁輸措置(革命勝利前、対米貿易は全貿易の70%以上を占めた)によって圧殺しようということから、これを「封鎖」と呼んでいます。

08年10月29日第63回国連総会において、決議案A/63/L4、「米国の対キューバ経済封鎖・通商・金融封鎖を解除する必要性」が、賛成185カ国、反対3国(アメリカ、イスラエル、パラオ)、棄権2カ国(マーシャル諸島、ミクロネシア)という圧倒的大差で採択されました。昨年欠席のアルバニアが賛成に回り、賛成国は昨年と比較して1カ国増え、国連加盟国192カ国の96.4%が賛成しました。

これで、米国の不当ないわゆる「対キューバ経済封鎖」政策は、17年連続して国際社会の圧倒的な意見で解除が要求されたことになります。この決議の採択について、デスコト国連総会議長が述べているように、国際社会は、「ほぼ満場一致」で米国の対キューバ経済封鎖が、国連憲章、国際法、民族自決権、内部問題不干渉、国内政策の域外適用、自由貿易に反するものとして、厳しく批判しました。解除賛成演説で、非同盟諸国代表、グループ77+中国代表、カリブ共同体代表、南米南部共同体代表、欧州共同体代表などが、一様に時代遅れの不当な米国政府の政策を批判しています。今や、国際的に孤立しているのは、米国政府であることが、明確になっています。

今回の解除決議は、米国内では大統領選挙間近で、国民が新自由主義政策の悲惨な結果から国内政策の真の変化を望んでいること、イラク戦争に見られる米国の単独行動主義外交が破綻して、外交についても国民が変化を望んでいること、米国の新自由主義グローバリゼーションが破綻し、米国発の金融・経済危機が世界に波及して、国際的な協調が必要とされているという新たな状況の中で行われたことが大きな意味を持っています。

こうした国の内外の状況から、米国の新しい大統領は、国内、国際世論を尊重して、現在のキューバ政府と、対等・平等・互恵・相互尊重・内部問題不干渉・民族自決権の尊重の原則に立って、無条件で話し合いのイニシアティブを取ることが要求されています。

国連総会における米国の対キューバ経済封鎖解除決議投票結果1992-2008
決議正式名称:「米国の対キューバ経済・通商・金融封鎖解除の必要性」

年度  賛成   反対    棄権   欠席
1992 59 3 71 46
1993 88 4 57 35
1994 101 2 48 33
1995 117 3 38 27
1996 137 3 25 20
1997 143 3 17 22
1998 157 2 12 14
1999 155 2 8 23
2000 167 3 4 15
2001 167 3 3 16
2002 173 3 4 11
2003 179 3 2 7
2004 179 4 1 7
2005 182 4 1 4
2006 183 4 1 4
2007 184 4 1 3
2008 185 3 2 2

反対国:2004年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2005年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2006年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2007年 アメリカ、イスラエル、マーシャル諸島、パラオ
    2008年 アメリカ、イスラエル、パラオ
    日本は、97年より賛成投票。
2004年棄権国(1):ミクロネシア
2004年欠席国(7):エルサルバドル、イラク、モロッコ、ベリア、ニカラグア、ウズベキスタン、バヌアツ。
2005年棄権国(1):ミクロネシア
2005年欠席国(4):ニカラグア、エルサルバドル、モロッコ、イラク
2006年棄権国(1):ミクロネシア
2006年欠席国(4):コートジボワール、エルサルバドル、イラク、ニカラグア
2007年棄権国(1):ミクロネシア
2007年欠席国(3):アルバニア、エルサルバドル、イラク
2008年棄権国(2):マーシャル諸島、ミクロネシア
2008年欠席国(2):エルサルバドル、イラク

キューバの累積損害額1962年以降 (キューバ政府発表):
2004年:793億ドル
2005年:820億ドル
2006年:860億ドル
2007年:890億ドル (時価評価額2,220億ドル)
2008年:930億ドル(時価評価額2,246億ドル)

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