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2009年1月30日 (金)

米玖関係の改善は、何を基礎とするか?

米玖関係の改善は、何を基礎とするか?

 カストロ前議長が、1月29日の省察、「米国新大統領の思考を読み解く」で、オバマ大統領の政策を論評した。同省察は、「オバマ大統領が、キューバにあるグアンタナモ米海軍基地内の収用所を廃止することを決定したあと、同基地のキューバへの返還には、米国の防衛能力にどう影響するかを検討しなければならない。さらに、返還に対応してキューバ側もどういう譲歩を行うかも考慮しなければならない」と述べたことを原則に関わる問題として、厳しく非難した。

 また、カストロ前議長は、「キューバ国民の意思に反して維持されている軍事基地に居座ることは、国際法に違反するうえ、キューバが半世紀もたたかって勝ち取った政治制度の変革を要求するのは、キューバの主権の無視であり、小国への大国の権利の濫用である」と批判した。

 さらに、「その外交政策は、就任直後の22日に米国の主要な同盟国である核保有国イスラエルを中東問題に関して断固として支持することを表明したことに現れているように、ブッシュ政権の政策を踏襲するものである」と結論付けている。
 
 オバマ大統領の就任後、キューバ政権の高官が、外交的に慎重に発言していることをもって、一般のマスコミは、キューバ側が、オバマ政権の「チェンジ」を期待しているかのように報道してきたが、筆者がこれまでこのブログで指摘してきたように、米玖関係を理解する鍵は、米国のどのような政権であれ、キューバの主権を尊重し、対等、平等、互恵、相互尊重の立場に立ったときにはじめて、関係が修復し、発展するものであることを見失ってはならない。こうした考え方が「チェンジ」しなければ、米国は、当面、軍事的にはラテンアメリカで超大国として君臨し続けうるかもしれないが、政治的にはラテンアメリカでの孤立は深まるばかりであろう。

 キューバも、ベネズエラも、ラテンアメリカの国々も、「反米」ではないのであり、単に当然の自主的な立場を取ろうとしているだけである。現在のラテンアメリカ諸国の自立の動きを「反米大陸」と捉えるのは、ラテンアメリカを「裏庭」と見なす考え方の裏返しである。

興味のある方は、カストロ前議長の省察を参照。

「09.01.29 Descifrando el pensamiento de Obama.doc」をダウンロード


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